主屋は昭和13年に建築されている。当時としてはめずらしく早稲田大学の建築研究者川上博士により設計され、地元の棟梁西村国太郎により建築されている。
街道側の外壁には、1階に格子戸、出格子窓、又2階には虫籠窓等の町屋の構成要素が取り入れられ、周囲の景観への配慮がされている。
玄関は8帖の大きさの吹抜空間をつくり、その内装は欧州ドイツなどの民家に見られるハーフティンバー様式を取り入れ、また見えがかりとなる軸組材は表面が手斧斫りされている。また妻側には暖炉を置き、正面奥にある階段の踊り場にバルコニーを設け、伝統的な彫りでつくられた持送りでその支持をしている。伝統的な意匠構成の中に異国の意匠を取り入れることで新たな空間を演出している。