柏原宿から醒ヶ井六軒茶屋の辺りまでの間には、中山道の松並木が残っている所がある。
街道に並木を植えた歴史は古く、奈良時代にさかのぼる。
鎌倉、室町時代にも植えられたが、本格的に数多く松並木を植えたのは、江戸時代からである。
植樹の目的は、炎暑を防いで旅路を快適にする目的のほかに、いざ合戦となった時、松並木を切り倒してバリケードを築き、一里ごとに榎を植えた一里塚を砦として討幕反乱軍を迎え討つための作戦上の周到な布石だったという。
正徳4年(1714)2月、長久寺地先から柏原を経て醒ヶ井までの街道に、高さ5、6尺、幹回り5、6寸の松を1601本植えている。また、宝暦7年(1757)5月に柏原の東方に246本、西方に300本の松を植えたという記録がある。中山道の他の地区でも、これと同様に多くの松が植えられたようである。
引用:近江の中山道物語
- 住所:〒521-0202 滋賀県米原市柏原 中山道沿