柏原宿は水質・水量に恵まれており、一時は4軒の造り酒屋があった。
休憩コーナーには酒造りに使用した粕桶が展示されている。
すりあげ戸
柏原宿にある町家は、1階と2階の壁面線が一致しているものを多く見かけます。これは、商売に適したすりあげ戸がこの地に好まれたため、と考えられています。このすりあげ戸は、前面をすべて開口するために二分割した板戸を2階の床を突き抜けて収納します。そのため、1階と2階の壁面の位置をずらすことはできませんでした。
板戸を柱の溝にすべらせて上部の戸袋におさめる巧妙な仕組みになる。すり上げ戸は1.8メートル程度の柱間に入れるが、高さ方向には板戸を二枚に割る。その全部を順次にすり上げておさめるのが高級。今ようにいえば木製シャッターだ。建具は全部取りはらえても、ガイドレールである柱が残ってしまうのでは不充分ということで、柱もはずしてしまう工夫が加えられた。こうした柱を蔀柱という。ここまでくれば、通りに面して完全な開放状態でえられる。