成菩提院

伝教大師が東北に向かうときに小さなお堂を建てたのがはじまりで、寂照山円乗寺(じゃくしょうざんえんじょうじ)成菩提院と称する天台宗の古刹。
戦国期には信長、秀吉、小早川秀秋などの武将が宿営している。家康、秀忠から寺領160石余を受けて栄え、中本山として末寺80余ヶ寺。僧100人余、檀家230軒余を教えたこともある。
​また、徳川家康の参謀と言われた天海大僧正(てんかいだいそうじょう)が住職を務めた時期もあり、多くの文化財が伝わっている。
寺伝によれば、815(弘仁(こうにん)6)年、最澄(さいちょう)が東国巡行のときに立ち寄り、この寺を開いたという。また柏原談議所(だんぎしょ)と称し、中世には天台宗の学問寺でもあった。織田信長・豊臣秀吉・徳川家康からそれぞれ寺領の寄進を受けている。信長は1568(永禄11)年、室町幕府15代将軍足利義昭(あしかがよしあき)を奉じて上洛の際、往路・復路ともにこの寺に泊り、秀吉も3度ここに泊っている。1665(寛文5)年には、64坊に103人の僧がいたと記録されている。

  • 住所:〒521-0202 滋賀県米原市柏原1692